一遍上人像

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遊行の旅人 一遍
 「旅ごろも 木の根かやの根 いづくにか 身の捨られぬ 処あるべき」とは、その生涯をかけて一生不住の旅から旅を続け全国に念仏を流布させた時宗宗祖 一遍いっぺん 上人の和歌です。この和歌が象徴しているように一遍上人は、全国を遊行し、念仏札を配り賦算ふさん )、踊り念仏で数多くの人々に念仏の教えを弘めました。 

 一遍上人は、延応元年(1239)に 誕生しています。

 人々と念仏とを結び付けるために一遍上人は、念仏札を配り歩きました。このことを賦算といいます。これは、算(念仏札)を賦(配)るという意味です。念仏札には、「南無阿弥陀佛なむあみだぶつ  決定往生けつじょうおうじょう  六十万人」と書かれています。これは、念仏勧進のための方法であり、六十万人とあるのは一遍上人が目指した数でもあり、一切衆生を意味しています。 16年の遊行の間、念仏札を配った人数を『一遍聖絵』では、25億(万)1千7百24人と記しています。

 正応2年(1289)8月 一遍上人は、51歳で終焉を迎えました。

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